1992年、ヨーロッパ中がテクノとレイヴに熱狂していた最中、オランダ?ロッテルダムから突如放たれた「音のミサイル」が、この“Poing”である。アーティスト名も物騒なら、音も過激。これは音楽というより、サウンドによる暴力、もしくはギャグのような破壊力を持った一撃だった。曲の構(gòu)造は驚くほどシンプル。「ポイング!」という電子音が、ひたすら一定の間隔で鳴り続ける。そのバックでドンドンと鳴り響くハードなキック、突き刺すようなハイハット、そして徐々に変調(diào)していく「Poing」のピッチ。たったこれだけ。だが、それだけで十分に踴らされ、笑わされ、アドレナリンが噴き出すのだ。當(dāng)時(shí)のUKハードコアやベルギー?テクノとも異なる、ロッテルダム?ハードコアの「原初の咆哮」として、これは確実に歴史を変えた一曲だ。しかもチャートインまで果たし、ドイツやUKのメインストリームでも話題に。ふざけているようで、完全にフロア対応。アートと悪ふざけのギリギリを突くバランス感覚は天才的だ。今なお“Poing”は、世界中のレイヴやDJセットで奇襲的に使われる。踴るのか、笑うのか、叫ぶのか。それすら分からなくなる快楽。バカげてるのに、やめられない。これこそレイヴカルチャーの真骨頂だ。

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