しっとりとぼくの體にまとわりつく真っ赤な聲の染み(赤)。夜明けの孤獨(dú)を泳ぐようにかきわける青白い顔の女(青)。病んで忌まわしい白い心の病室に、鍵をかけ封印してきた女(白)。心の奧底に刻印されてしまった劣等感という名の黒子(黒)―。妄想、孤獨(dú)、虛栄、倒錯、愛憎、嫉妬、再生…。金赤青紫白緑橙黃灰茶黒銀に偏光しながら、心のカンヴァスを妖しく彩る12色の短編タペストリー。