文庫です。 きれいなほうです。
愛だけを語り、愛だけに生き、十字架上でみじめに死んでいったイエス。
だが彼は、死後、弱き弟子たちを信念の使徒に変え、
人々から“神の子"“救い主(キリスト)"と呼ばれ始める。何故か?
――無力に死んだイエスが“キリスト"として生き始める足跡を追いかけ、
殘された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奧のドラマを明らかにする。
名作『イエスの生涯』に続く遠(yuǎn)藤文學(xué)の根幹をなす作品。
目次
第一章 イエスの死
第二章 辛い、長い、夜
第三章 ガリラヤからエルサレムへ
第四章 弾圧事件と最初の分裂
第五章 強(qiáng)きステファノ、弱きペトロ
第六章 律法という厚い壁
第七章 第二の迫害
第八章 弟子たちとポーロのちがい
第九章 第二の分裂
第十章 すべての路はローマに……
第十一章 ペトロの死、ポーロの死
第十二章 沈黙の神、再臨せざるキリスト
第十三章 イエスのふしぎさ、ふしぎなイエス
あとがき
解説 高橋たか子
遠(yuǎn)藤周作
(1923-1996)東京生まれ。幼年期を舊満州大連で過ごす。神戸に帰國後、12歳でカトリックの洗禮を受ける。慶応大學(xué)仏文科卒。フランス留學(xué)を経て1955年「白い人」で芥川賞を受賞。結(jié)核を患い何度も手術(shù)を受けながらも、旺盛な執(zhí)筆活動を続けた。一貫して日本の精神風(fēng)土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品や歴史小説、戯曲、映畫腳本、〈狐貍庵もの〉と稱されるエッセイなど作品世界は多岐にわたる?!汉¥榷舅a』(新潮社文學(xué)賞/毎日出版文化賞)『わたしが?棄てた?女』『沈黙』(谷崎潤一郎賞)『死海のほとり』『イエスの生涯』『キリストの誕生』(読売文學(xué)賞)『侍』(野間文蕓賞)『女の一生』『スキャンダル』『深い河(ディープ?リバー)』(毎日蕓術(shù)賞)『夫婦の一日』等。1995年には文化勲章を受章した。