雪が舞い始め、やがて音もなく街を埋めつくす、美しくもどこか秘密を孕んだ冬。その戀は不意に訪れた。永江希和子?24歳。金沢で生れ育ち、母と二人暮し。職場の新年會の著物を新調(diào)するために訪れた呉服屋で、希和子の心をとらえた絵柄、そして―新進(jìn)友禪作家?瀬尾との戀、新しい仕事。歓びと哀しみをひたむきに染め上げる人々。しかし、希節(jié)は移り雪とともに秘密も溶け出して…。