高校教師?巣藤浚介は、戀人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に攜わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出會いを生み、悲劇の奧底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。