レーベル：Spectrum Spools
品番：SP 026
フォーマット：LP, Album
國：Austria
リリース年：2012年
タグ：Experimental, Field Recording, Noise, Electronic, Spatial, Materiality

このアルバムが鳴らすのは「音楽」というより、「音の配置」である。Michael Pollardによる《Translations 01》は、演奏よりも記録、作曲よりも定位を優(yōu)先するソニック?オブジェであり、音がいかに空間を翻訳しうるかという実験への試みと言える。収録された「Material Study 01 (Sand)」では水中ステレオ?ハイドロフォンが湖畔の砂に埋め込まれ、濕潤な摩擦のテクスチャが時(shí)間の堆積物のように浮かび上がる。一方「Material Study 02 (Cello And Jacket)」は、チェロとノースフェイス製のジャケットという異種素材の組み合わせから、空間の振動(dòng)と人工素材の衣擦れを反響として立ち上げる。さらに、二編の“Spatialisation Study”は、家屋內(nèi)部で収録された音響素材を複數(shù)のマイク配置から採取し、配置のズレそのものを構(gòu)成原理とする空間的音響コラージュとして提示される。

本作は、再生環(huán)境としてヘッドフォンよりもスピーカー再生が推奨されており、リスナーの周囲に「配置される」音響の身體的知覚を前提としている。また特筆すべきは、最終トラック「A Pencil Rubbing For The Album Cover」において、実際に和紙へと描かれた鉛筆の擦過音が録音され、その視覚的殘像がジャケットアートとなっている點(diǎn)である。すなわち、聴かれる音と見られる像とが、同じ「行為の痕跡」として交差している。

制作にはRashad Becker（Dubplates & Masteringによるラッカー盤カット）と、ノイズ／ミュージック?コンクレートの異端児Russell Haswell（マスタリング）という、現(xiàn)代音響美學(xué)の二大キーパーソンが関與しており、その音響解像度と物質(zhì)的緊張感は、スペクトラム?スプールスの中でもとりわけ突出している。

メディア：VG+（チリノイズ）
ジャケット：NM（シュリンク）

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