推理小説家?橫溝正史は、1902年5月神戸市生まれ。雑誌の編集長等の経歴を経て、1932年より獨立して作家活動をスタートしました。太平洋戦爭末期の1945年に岡山県(現(xiàn)在の倉敷市真?zhèn)漕─睡E開しており、その地で多くの本格推理小説を構想?執(zhí)筆。そこで生み出されたのが、金田一耕助です。
ボサボサ頭に、シワだらけの著物とよれよれの袴を身につけ、形の崩れた帽子をかぶっている風采の上がらない男。でも実は頭のキレる名探偵! そんな金田一耕助は、岡山県の農(nóng)村部で事件に巻き込まれることが多いのですが、それは橫溝正史の疎開先であり、そのキャラクターが生まれた地であることが影響しているのです。
今や、日本の3大名探偵のひとりとされている金田一耕助(あとの2人は明智小五郎と神津恭介)ですが、その初登場作「本陣殺人事件」が世に出たのは、戦後すぐの1946年でした。 一般的には、1970年代に入ってから「犬神家の一族」を初めとした一連の映畫化によってブームが到來。さらに、平成になって孫と稱する少年が有名になった影響などもあり、世代を超えて名を馳せる名探偵となっています。
なお、作者の橫溝正史が戦前から活動していたと聞くと、原作は「文章が古そうで読みづらそう」と敬遠する人もいるかもしれません。しかし、実際に金田一耕助シリーズの原作に觸れると、予想以上の読みやすさに驚く人が多いと思います。読者をグイグイと引き込む巧みな文章に、本格推理小説としてエンタメ性バツグンの構成がとにかく面白くて、令和でもその魅力は衰えません。