破滅への衝動を持ちながらも“戀と革命のため"生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、最後の貴婦人である母、戦後に生きる己れ自身を戯畫化した流行作家上原。沒落貴族の家庭を舞臺に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壯な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、“斜陽族"という言葉を生んだ太宰文學の代表作。