トスカニーニの『ファルスタッフ』は、ナチスによって併合される以前、最後の年にあたる1937年のザルツブルク音楽祭の記録。 

巨匠トスカニーニ最愛のオペラといっても過言ではないヴェルディ『ファルスタッフ』の、峻厳さと諧謔が研ぎ澄まされた名演です。 

非常に高く評価されている後年のＮＢＣ響盤では感じることの出來ない、劇場の芳香、爛熟した西歐貴族社會のあだ花の芳香とでもいうべき劇場感が息づいています。 

一方、カラヤンのは1957年のザルツブルク音楽祭で大きな話題になった公演。 

このトスカニーニの1937年公演の客席で感激に揺さぶられていたカラヤンもまた、イタリアの巨匠同様にこのオペラにとりわけ深い思い入れとこだわりを抱く指揮者となりました。 

そして第二次世界大戦をはさんだ20年後の1957年、おなじザルツブルク音楽祭で取り上げた『ファルスタッフ』がこの公演です。 

ゴッビ、シュヴァルツコップ、パネライ、モッフォなど、前年にEMIへ録音したキャストを多くそろえ、見事なアンサンブルを聴かせてくれます。

後年の円熟の語り口に比べ、やはり若々しく緊迫感のうちに繰り広げられる音楽は、《ファルスタッフ》の特有の生命力に満ち満ちたものになっています。 

新帝王カラヤン全盛期の、挑戦的ともいえる名演です。

ヴェルディ：

歌劇『ファルスタッフ』全曲 

マリアーノ?スタビーレ（Ｂｒ：ファルスタッフ） 

ピエトロ?ビアシーニ（Ｂｒ：フォード） 

ディノ?ボルジオーリ（Ｔ：フェントン） 

アルフレード?テデスキ（Ｔ：カイウス） 

ジュゼッペ?ネッシ（Ｔ：バルドルフォ） 

ヴィルジーリオ?ラッツァーリ（Ｂ：ピストーラ） 

フランカ?ソミーリ（Ｓ：フォード夫人） 

アウグスタ?オルトラベッラ（Ｓ：ナネッタ） 

ミタ?ヴァサーリ（Ｍｓ：ページ夫人） 

アンゲリカ?クラヴチェンコ（Ｍｓ：クィックリー夫人） 

ウィーン國立歌劇場合唱団 

ウィーン?フィルハーモニー 

アルトゥーロ?トスカニーニ（指揮） 

録音：1937年8月9日、ザルツブルク音楽祭ライヴ 

?ヴェルディ：

歌劇『ファルスタッフ』全曲 

ティト?ゴッビ（Ｂｒ：ファルスタッフ） 

ローランド?パネライ（Ｂｒ：フォード） 

ルイジ?アルヴァ（Ｔ：フェントン） 

トマゾ?スパターロ（Ｔ：カイウス） 

レナート?エルコラーニ（Ｔ：バルドルフォ） 

マリオ?ペトリ（Ｂ：ピストーラ） 

エリザベート?シュヴァルツコップ（Ｓ：フォード夫人） 

アンナ?モッフォ（Ｓ：ナネッタ） 

アンナ?マリア?カナリ（Ｍｓ：ページ夫人） 

ジュリエッタ?シミオナート（Ｍｓ：クィックリー夫人） 

ウィーン國立歌劇場合唱団 

ウィーン?フィルハーモニー 

ヘルベルト?フォン?カラヤン（指揮） 

録音：1957年8月10日、ザルツブルク音楽祭ライヴ  

コンディション良好。 

 

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