もう迷わない。今だけは目を逸らさない。
その日、アパレルメーカーの営業(yè)をしている小坂雅季は高校の同窓會に來たことを後悔していた。
まるでお見合いパーティのような會場で色めいた視線を向けられるのにうんざりしたのだ。
ところが、たいして親しくなかったはずの同級生?岡田航に聲を掛けられて思いかけず楽しい時間を過ごす。
どこか摑みどころがない岡田との時間は心地よく、
互いの趣味が映畫だとわかってからは度々會うようになった。
岡田に會えるのが嬉しい。
いつの間にか雅季の中で岡田の存在は増していき、
友情だと思っていた感情は変化していって????
さいはてのゆき/いちか凜
十五歳の夏、渓は兄のように慕っていた貴之への戀を意識して、拒絶された。
その冬、貴之は渓の前から去っていった。
それから三年──。
祖父の山小屋を継ぐことになった渓の前に、
何事もなかったかのように、再び貴之が現(xiàn)れた。
大切なひとをもう失いたくない、
その思いから弟のように振る舞うことを決意する渓だったが、
腕が觸れるたび、目が合うたび、意識してしまうのは止められなくて!?
兄と弟のような関係から戀人になるまでを描いた
期待の新人?いちか凜、デビュー作登場!!
この美しき世界のまにまに/花房マミ
好きだ、と言われて、こんなにうれしかったことはなかった。
中性的で整った容姿を持ちながら自他ともに認めるクズ系大學生、吉井清良。
その日も付き合っていた女に「クズ!!」と捨て臺詞をもらい振られたばかりだ。
クズ呼ばわりにも振られることにも慣れている。
けれど、隣に引っ越してきた真面目で誠実そうな男、高村泰幸に別れ話を聞かれた挙げ句、
「俺はあなたみたいないい加減な人は嫌いです」とまで言われてしまった。
人當たりのいい清良に初対面でそんなことを言う男は初めてだ。
最悪な出逢いを果たした正反対なふたりだけど?