昭和50年9月34刷。帯なし。カバー及び三方にシミがあります。よって「傷や汚れあり」にしました。古いだけに経年感はありますが、他に大きな難はないと思います(但し、出品者の判斷です。見落としあればお許しください)。古本であることをご理解の上、ご入札をよろしくお願(yuàn)いします。

主人公の「ぼく」こと坂本が、ロサンゼルス?オリンピックにボートの選手として參加するために搭乗する、太平洋を渡る船の上が主たる舞臺(tái)である。「秋ちゃん」という呼びかけで始まり、主人公は陸上の選手として同船している熊本秋子に淡い戀心を抱いているが、仲間の男たちの冷やかしを受け、秋子も気づくけれど、遂に戀心を伝えるにはいたらない。 田中自身が1932年に経験した事実に基づいた私小説で、2人の間にほとんど何も起こらない純?nèi)护郡肫激ば≌hである。帰國後、坂本は學(xué)生運(yùn)動(dòng)をへて結(jié)婚するが、「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか」というつぶやきで終わっている。秋子のモデルは相良八重である。 戦後、田中の小説があまり読まれなくなる中で、新潮文庫に収められて読み継がれた。