寛永三年。戦國の余燼末だ消えず、巷に主と食を求める浪人が溢れ、旗本の辻斬りが橫行する江戸。柳生十兵衛(wèi)三厳は父宗矩の意に背き、將軍家光の小姓を辭し浪人となる。日本を神國と信じ、剣の道を歩む者は神徒であらねばならぬとする十兵衛(wèi)は、仏徒となった家光を許せなかったのだ。時に十兵衛(wèi)弱冠。やがて貧しい浪人たちを集め、江戸市中に騒亂を起こすべく畫策するが…。書下し本格剣豪小説。