

平安時(shí)代。闇が闇として殘り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時(shí)には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。安倍清明は従四位下、大內(nèi)裏の陰陽(yáng)寮に屬する陰陽(yáng)師。死霊や生霊、鬼などの妖しのもの相手に、親友の源博雅と力を合わせ、この世ならぬ不可思議な難事件にいどみ、あざやかに解決する。
映畫、舞臺(tái)、漫畫にもなった超人気シリーズの記念すべき第一作。
ずっと以前から、書きたくて書きたくてたまらなかったのが、平安時(shí)代の話である。
闇の話を書きたかったのだ。
鬼の話を書きたかったのだ。
その頃には、まだ、闇も鬼も、人の居る空間に殘っていたからである。
そして、安倍晴明という男の話を書きたかったのである。
その思いがかなって、およそ、足かけ三年ほどかけて、あちらこちらに、ぽつりぽつりと書いてきた、安倍晴明という陰陽(yáng)師の話が、ようやく本になることになった。
こんな嬉しいことはない。
晴明と博雅のかけあいは、書いていても楽しかったよ。
いい気分だ。