江戸後期、お伊勢參りを終えた師崎と半田の參宮客たちは、
海路をとって故郷へ戻る途中、波間に漂う若い女を見つけた。
助けられた女は、もの言わぬことから「栄螺」と名づけられ、
記憶喪失者として師崎村の延命寺に預(yù)けられることになる。
女は毎日羽豆岬の上から髪をなびかせ伊勢の海を眺めていたが、
海蛍が海にきらめくある夜悲しい出來事が…。
表題作を含め伊勢?大和を舞臺に、男女の悲戀を描いた珠玉の18篇。
※カバーは経年による汚れ?ヤケ?使用感ありますが、中身は良好かと思います。