「バブル経済崩壊後、資産デフレが猛烈に進行しているなかで、金融、わけても銀行が傷んでいる、という危機感を僕はずっと抱いていました。図體がデカいほど傷も腐敗度も深いわけですから、そこを見つめてみよう、のたうつ都銀の姿を書こうと思ったのです」と著者は本書の執(zhí)筆動機を『日本企業(yè)の表と裏』の中で語っている。今さら銀行の腐敗に驚く読者も少なかろうが、いったいどのように闇社會につけこまれ、バンカーは何をのたうつのか。その興味にこたえてくれるのが本書である。都銀虎ノ門支店副支店長の主人公は総務部主任調(diào)査役への異動辭令を受ける?;鸺堡稳蝿栅先耸聵丐蛭栅晷袃?nèi)で依然として強い影響力を持つ會長の娘の不倫相手となった不審者の洗い出しだ。スキャンダル潰しや筋の悪いタカリを排するときに頼れるのはやはり大物総會屋。主人公は會長のメンツを保ち銀行のスキャンダルを防ぐために不正融資に加擔する。93年7月から97年1月までの都銀が舞臺で當時の金融行政背景も隨所に書き込まれており、他の高杉作品と同様に本書もまた該當業(yè)界のガイドブックとなっている。大蔵官僚接待の象徴として週刊誌を賑わせたノーパンしゃぶしゃぶ店の描寫や総會リハーサルの場面は映像が浮かぶほどの迫力。同書により金融腐蝕ぶりの一部を知っても強い憤りが感じられないのは、銀行の品位低下ゆえか単に銀行に縁が薄いだけなのか自らの倫理観の欠如なのか、今度は読者が問われる番である。(松浦恭子)