『邪宗門』は、芥川龍之介の未完の小説である。大正7年(1918年)10月から『東京日日新聞』に連載された。『大鏡』や『栄花物語』などを基に、芥川獨自のストーリーで書かれている。芥川の小説『地獄変』に登場した堀川の大殿の子、若殿が主人公である?!旱鬲z変』と同一人物と思われる語り部により物語が進むが、本作では語り部自身も本編に登場する。時代は平安時代、本編に出てくる「摩利の教」は山田孝三郎の景教という説が有力。物語は中盤、いよいよ主人公が邪宗の沙門と対決するところで未完となっている。未完の理由については芥川の體調不良とされているが、展開に行き詰まった點を理由とする向きもある。