英國Musical Fidelity社が1992年に発売したA級プリメインアンプ、A120です。
中古完動品を購入後、1年ほどサブシステムのアンプとして使用していました。今回の出品にあたりフォノ入力やテープアウトを含む機能の正常な動作を確認しております。経年のスレなどはあるものの発売年を考慮するとそこそこの美品かと思います。ボリュームやソース切り替えスイッチ、電源スイッチなど全て完全に動作しますが、しばらく使っていないとボリュームにはガリが出ます。これは通電をして使っているうちに消えます。
本體底面の腳は元々は半球狀のゴム腳だったと思いますが、私の購入時にすでに一部欠品しておりました?,F(xiàn)在は樹脂とゴムでできたオーディオ用の腳を両面テープで付けております。4枚目と7枚目の寫真でご確認ください。

Musical Fidelity社は、1983年に、小さく薄型でシンプルな筐體に音質(zhì)重視の回路(20w/chながらA級出力段)を搭載したA1プリメインアンプを発売しました。奧行きわずか25cmの筐體、わずか20wの出力、というA1は、音楽を生き生きと表現(xiàn)するアンプとの評価を得、Musical Fidelity社の名前を一躍有名にしました。
1987年には、やはり他社比でもっとパワーが欲しいという聲に応えたのか、ファンを內(nèi)蔵して放熱効率を高め、A級 50w/chとしたA100が発売されます。
1992年、少し原點回帰をして、大きめ(奧行き37cmくらい)の筐體に放熱孔を設(shè)けて放熱効果を高めファンを排し、出力をそれぞれA級 40w/chとA級 60w/chとしたA120(本出品)とA200が発売されます。A120とA200とでは筐體やプリント基板などの多くのパーツが共用され、電源トランスを含む電源回路とバイアスなどの調(diào)整が異なっているようです。8枚目の寫真をご覧いただくと、プリント基板にはA200とのシルクが入っているのが確認できます。

ファンを搭載したA100は別として、A級 60w/chで必要なバイアス電流の発熱に耐える筐體を40w/chで使う熱設(shè)計に余裕のあるA120は、発熱の大きいことで知られるMusical Fidelity社のプリメインアンプの中では安心して長期に渡り使い続けることのできるアンプだと思います。

放熱孔から埃なんか入り込んでいないか、と、出品にあたり初めて天板を外して中を確認し寫真を撮りました。天板は本體背面の3本のタッピングネジで取り付けられていて簡単に取り外せます。が、天板を元に戻す際、フロントパネルの溝に天板の前方エッジを食い込ませる必要があり、少し難儀します。
內(nèi)部ですが、寫真のように、特に埃もたまっておらずきれいで、高熱にさらされてきた電解コンデンサ類にも異常は見られませんでした。フロントパネルのノブとスイッチやボリュームをつなぐ鉄製のロッドは流石に赤錆が浮いていますが、機能には支障ないと思います。配線を伸ばしてフロントパネルのノブにスイッチやボリュームなどを直付けするのではなく、わざわざロッドを使うことで無駄な配線をなくしている點にもMusical Fidelity社の音質(zhì)重視の姿勢が表れていると思います。
寫真8枚目の右上、寫真9枚目の左下、ソース切り替えスイッチのあたりに、2本の赤いループ狀のジャンパー線がテープで止められているのが見えると思います。気になって調(diào)べたのですが、web上のA120の內(nèi)部寫真を色々見てみると、線の色は黒かったりするのですが、このジャンパーは誰かの改造ではなく元々の仕様だったようです。

Musical Fidelity社のA1から始まるプリメインアンプはA級アンプ、Class A Amplifireであることを前面に打ち出しています。
そもそもコンプリメンタリープッシュプルというのは、バイアスの掛け方によって、ある出力電圧まではA級動作(つまりNPNもPNPもフルスイング)し、ある電圧を超えると自動的にAB級動作となってしまうものです。そのため、Musical Fidelity社のプリメインはA級である、という表現(xiàn)は、シングルアンプでのA級とは若干意味合いが異なり、A級動作の範囲がとても広いAB級アンプである、という意味になります。
それでも、動作中はほとんどA級動作すること、素子を選んだコンプリメンタリープッシュプルでありトランジスタの非直線性がある程度自動的にキャンセルされること、という特徴は、素子の動作で発生する非直線性(=歪み)を消すために強いNFBをかける必要がない、という回路上の特徴を持つことになります。

米國Stereophile誌の2020年のweb記事に、Musical Fidelity社のM8xiプリメインアンプの発売に合わせた同社CEOであるHeinz Lichtenegger氏のインタビューが掲載されています。
https://www.stereophile.com/content/musical-fidelity-m8xi-integrated-amplifier

この中で同氏は、
「Musical Fidelityの設(shè)計哲學(xué)はフィードバックを最小限に抑えることで音の生命感を維持することと、広大なダイナミックレンジを?qū)g現(xiàn)すること」
というように述べています。深読みすれば、A級動作域の広いプッシュプルアンプにしたのはNFBを最小限に抑えるため、というように理解できるのかも知れません。
最小限のNFBというのは、多くのメーカーが同じようなアンプを橫並びで販売し、出力や歪率などのカタログ上のチェックボックスアイテムを気にして設(shè)計せざるを得なかった日本のメーカーではおそらく許されなかったポリシーだと思われます。オーディオ機器大國の日本でわざわざ海外のオーディオ機器を使う意味はこういったところにあるか、とも思います。

A級アンプというと、その発熱の大きさゆえか「暖かい音」というような評価をよく耳にしますが、出品のA120から聞こえる音は、まさにLichtenegger氏の言葉通りの「歯切れの良い元気な音」です。私がメインシステムで使っている、同じ英國のQUAD社の405パワーアンプのざっくりとした歯切れのいい音に通じるものがあります。QUADのパワーアンプも、A級動作部分とB級動作部分を組み合わせ、NFBに頼らずに歪低減を図る獨自の回路設(shè)計がされており、NFBを減らすという設(shè)計ポリシーには共通のものがあるようです。

A級で軽いNFBという他にない特徴を持つパワーアンプ段と比較すると、A120のプリアンプ部分は特に大きな特徴は見られないものです。フォノ回路はディスクリートTrとOPアンプを組み合わせたもの、フラットアンプ&音量調(diào)節(jié)部分は反転入力OPアンプの2段増幅、となっています。外付けのステップアップトランスや単獨のヘッドアンプなどと比べると、MC入力に切り替えた狀態(tài)でのA120のハイゲインイコライザーはノイズフロアが高く聞こえます。でも音が生き生き鳴る、という點においては、こんな簡単な回路なのに、と驚かされます。

発熱の大きいアンプですので、設(shè)置場所は、棚の奧に押し込むのではなく、十分換気できる環(huán)境を選んでいただくのがいいと思います。どこかに押し込まれたりしていなければ、今年の暑い夏場でも、24時間通電し続けてしまっても特に問題は発生しませんでした。ただし、內(nèi)部の電子部品の壽命を考慮して、寢る前には電源を落とす、という運用の方が望ましいとは思います。

今回の出品に際してできる範囲で念入りなチェックと動作確認をしておりますが、30年ほど前の民生音響機器の中古品です。掲載した寫真をよくご覧いただき、慎重にご入札ください。
なお、円滑なお取り引きのため、恐れながらご入札いただいた方の過去の評価履歴を拝見させていただいております。落札者都合キャンセルが1回でもある方、悪い評価が3%程度以上ある方、他、気になる評価コメントがある方からのご入札については、お斷りなくご入札を削除させていただく場合があります。よろしくご了承ください。