近年、仏教研究において「生活」の再評価が進(jìn)んでいる。ゆえに、日本人の「生活」の歴史と仏教との関係をよく考えてきた仏教民俗學(xué)、特に五來重によるそれの思想的な意義を再検討する必要が出てきた。五來は彼の同時代の仏教をめぐる學(xué)問や実踐のあり方に対して非常に批判的だった。特に仏教を哲學(xué)的なものとして理解する想定に疑問を抱き、代わりに仏教を受容する普通の人々の現(xiàn)実生活に即した彼の日本仏教観を提示した。その五來の仏教思想は、実踐すなわち身體的?行為的な次元の仏教に主な焦點(diǎn)を當(dāng)てた。彼の思想からは、人々の実踐の中に存在するあらゆる形態(tài)の仏教を、その洗練度を問わず等しく認(rèn)識し評価し反省するための視座を?qū)Wぶことができる。五來の思想には、「庶民信仰」に関する過度に理念化された論理の展開など問題もある。が、私たちが特定の學(xué)問枠組みから自由になって仏教をめぐる思考を深めようとする際、五來の思想から得られる知見はいまだに多大である。
『五來重著作集』（全12巻?別巻、法藏館）
日本仏教民俗學(xué)の構(gòu)築
聖の系譜と庶民仏教
日本人の死生観と葬墓史
寺社縁起と伝承文化
修験道の修行と宗教民俗
修験道霊山の歴史と信仰
民間蕓能史
宗教歳時史
庶民信仰と日本文化
木食遊行聖の宗教活動と系譜
葬と供養(yǎng)（上）
葬と供養(yǎng)（下）
別巻：略年譜?著作目録?全巻索引
