戀愛を否定する男が、一人の娼婦を愛した結果、気づいたものは……。性を通して精神と肉體の関係を探求した吉行淳之介の芥川賞受賞作。
吉行淳之介
(1924-1994)1924(大正13)年、岡山市生れ。東京大學英文科中退。1954(昭和29)年「驟雨」で芥川賞を受賞。性を主題に精神と肉體の関係を探り、人間性の深淵にせまる多くの作品がある。また、都會的に洗練されたエッセイの名手としても知られる。1994(平成6)年、病沒。主要作品は『原色の街』『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』(蕓術選奨文部大臣賞)『暗室』(谷崎賞)『夕暮まで』(野間賞)『目玉』等。