[中古本] | ||
表紙ややキズこすれあり | ||
中身は新品同様です(書き込み等なし) | ||
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長篇の合い間をぬうようにして書かれた小品とよばれる一群の短篇がある.小品とはいうが,しかしその存在は大きく,戦後の新しい漱石論は『夢十夜』の読み直しからはじまったと言っても過言ではあるまい.ここには荒涼たる孤獨に生きた作家漱石の最暗部が濃密に形象化されている.. (解説 阿部 昭) 人に勧められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤獨な心持をにじませた名作『文鳥』、意識の內部に深くわだかまる恐怖?不安?虛無などの感情を正面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意志の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した『夢十夜』ほか、漱石の日常生活を描いた隨筆風のもの、あるいは青少年時代の追憶や英國留學時代の回想など、多彩な25の作品群から成っている「永日小品」を収録。 「夢十夜」第一夜より こんな夢を見た。 腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寢た女が、靜かな聲でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪廓の柔らかな瓜実顔をその中に橫たえている。真白な頬の底に溫かい血の色が程よく差して、唇の色は無論赤い。到底死にそうには見えない。然し女は靜かな聲で、もう死にますと判然(はっきり)云った。 內容紹介(出版社より)夢 十 夜 文 鳥 永日小品 元日/蛇/泥棒/柿/火鉢/下宿/過去の匂い/貓の墓/暖かい夢/印象/人間/山鳥/モナリサ/火事/霧/懸物/紀元節(jié)/儲口/行列/昔/聲/金/心/変化/クレイグ先生 解 説 阿 部 昭 注 解 古 川 久(編)
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