王羽十選(9)『獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠』 - 功夫電影専科
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獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠/獨臂刀大戰(zhàn)獨臂刀
英題:One Arm Chivalry Fights Against One Arm Chivalry/Point the Finger of Death
製作:1977年

●天皇巨星と呼ばれ、良くも悪くも香港の映畫界を賑わせてきた王羽(ジミー?ウォング)。彼の役者人生は50年以上に及びますが、“あの傑作”と出會っていなければ今のジミー先生は存在しなかったかもしれません。
その作品こそ、彼を一躍スターダムへと押し上げ、張徹(チャン?ツェ)監(jiān)督の名を知らしめた『片腕必殺剣(獨臂刀)』です。ジミー先生のスター性と張徹の演出、そして華麗な立ち回りによって『片腕必殺剣』は記録的なヒットを記録しました。
 同作はジミー先生の原點ともいえる作品となり、臺灣に渡ってからは功夫片としてリメイクした『片腕ドラゴン』を製作。勝手にシリーズを展開し、2代目獨臂刀の姜大衛(wèi)(デビッド?チャン)を引っ張り出した珍作『獨臂雙雄』にも出ています。
この當(dāng)時、ジミー先生は『片腕ドラゴン』の続編となる『片腕カンフー対空とぶギロチン』を監(jiān)督し、ちょっとした片腕ラッシュ狀態(tài)となっていました。そしてこの『片腕カンフー~』において、彼はある人物と出會います。

 『片腕カンフー~』は武術(shù)指導(dǎo)を香港で活躍していた劉家良(ラウ?カーリョン)に依頼し、無理を押して登板してもらったという事情があります。その見返りなのか定かではありませんが、ジミー先生は劉家班の劉家榮(ラウ?カーウィン)を擁立するのです。
劉家榮は劉家良の実弟で、劉家班の主要メンバーであると同時に監(jiān)督としての才覚も持ち合わせた、実に器用な人物でした。とはいえ、所屬するショウ?ブラザースでは活躍の機(jī)會が巡ってこず、必然的に外部の會社で経験を積まざるを得なくなります。
 ジミー先生に劉家榮が預(yù)けられたのは、少しでも活躍の場を與えたかった劉家良の采配(或いは劉家榮自身の判斷)だったのでしょう。かくして劉家榮はジミー先生と肩を並べ、主演スターとして本格的なキャリアをスタートさせました。
本作はそんな2人が組んでいた時期の作品で、劉家榮はジミー先生と並び立つ“もう1人の獨臂刀”という大抜擢を受けています。ただし作品自體は『片腕必殺剣』と無関係で、『獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠』という微妙なタイトルがそれを暗に示しています。

 物語は、反清復(fù)明を掲げる光華會に所屬するジミー先生が片腕を失い、仲間殺しの濡れ衣を著せられるというシリアスなもの。この殺害された仲間というのが清朝の內(nèi)通者で、連中に家族を殺された劉家榮(こちらも片腕剣士)が方々で辻斬りを繰り返します。
同じく內(nèi)通者の光華會幹部?梁家仁(リャン?カーヤン)が暗躍する中、劉家榮は知らぬ間に生き別れた弟(喜翔)と再會するのですが、光華會を混亂させた遠(yuǎn)因となったため、ジミー先生と刃を交えることに……。
 ここに華山派で心強(qiáng)い味方となる王冠雄、全ての黒幕である皇帝?龍飛(ロン?フェイ)も加わり、最後の戦いが幕を開けます。ただし演出にキレがなく、せっかく面白くなりそうな要素が幾つもあるのに、それらが全て消化不良に終わっているのです(爆
ジミー先生はただ強(qiáng)いだけで特徴に乏しく、それ以外のキャラクターも月並みな人物設(shè)定に留まっているので、あまり奧行きが感じられません。ロケ地も閑散とした野原や山道ばかりとなっており、それが本作の粗末さをさらに助長させていました。
 しかし、アクションは劉家榮自身が受け持っているため、それなりに趣向を凝らしたファイトが楽しめます。2人の片腕剣士は刀に限らず、素手での戦いも得意なので殺陣のバリエーションもなかなか豊富です。
ラストは武器同士によるジミー先生VS龍飛、素手同士による劉家榮VS梁家仁という異なる特色のバトルが堪能できますが、そこへ至る展開も実に淡泊。本當(dāng)に素材だけは良いのに、つくづくストーリーの煮え切らなさが惜しまれます。

 ジミー作品らしいツッコミどころはあるものの、彼の魅力が出し切れたとは言い難い作品。やはりここはジミー先生直々にメガホンを取って欲しかったところですが、実は劉家榮とのコラボでその條件を満たした映畫が1本だけ存在します。
果たして、彼が手掛けた真骨頂ともいえる作品の実態(tài)とは? 次回、長いようであっという間だったこの特集もこれでラスト…今年最後の作品紹介にして、我らが天皇巨星の本領(lǐng)を発揮した快作に迫ります!

もう本當(dāng)にこういう豪快なスターっていなくなりましたよね。今はみんなスキャンダル恐れてこぢんまりしてる善人ぶったスターばっかり
http://narukoiehan.web.fc2.com/wanyu4.htm

獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠
One Arm Chivalry Fights Against One Arm Chivalry

王羽(ジミー?ウォング)さんの片腕ものである。
「片腕必殺剣」
「続?片腕必殺剣」
「新座頭市/破れ!唐人剣」
「片腕ドラゴン」
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」
「獨臂拳王勇戦楚門九子」
「獨臂雙雄」
そして本作でジミーさんの片腕ものレビューは制覇、になるのかな?
製作年度1977年1976年頃と言えば「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」や「ドラゴン修行房」も撮っていた時期で、本作合わせた三本に共通しているのは劉家榮(リュー?チャーヨン)が武術(shù)指導(dǎo)及び役者として関わっているということ。後に「燃えよデブゴン3/ダーティタイガー」等に主演し、功夫スターとして果ては大ヒット作「魔界天使」で監(jiān)督としての才能も評価されることになる彼の才能を最初に発見したのはジミーさんだったのかもしれない。その証拠に本作はジミーさんと劉家榮のW主演を形を取っている。


■流れ(推測たっぷり)


江湖で起きた謎の殺人事件。
江湖に集結(jié)した各流派の長達(dá)が取り敢えず名うてのジミーさん派遣決定。
ジミーさん捜査開始。
???って、あれ?片腕じゃなくて両腕ドラゴンですよ?ありますよ?
と思ったら、この捜査自體が黒幕が仕掛けた罠。
捜査途中に暴漢に襲われている女?易虹を発見したジミーさんは當(dāng)然これを助けたのだが、実は易虹も敵で後ろからジミーさんの左腕に毒針グサリ!
易虹 「毒が回って死ぬのも時間の問題よ!」
王羽 「そうはいくか!」
というわけで自ら左腕を斬り落とし、體に毒が回るのを防いで高笑いするジミーさん!今腕斬り落としたばかりなのに余裕がありますな!
余裕がありますなどころではなかった!
ここぞと目掛けてジミーさんを倒しにかかるザコ敵たち凡そ20人か!
その約20人相手にたった今自分で左腕を斬り落としたばかりなのに、そのままガンガン戦うジミーさん!んなあほな!手當(dāng)ては???

王羽 「どないなっとんじゃ!」
集結(jié)時にも顔出してた薛漢(シュエ?ハン)の所に取り敢えず訪ねるジミーさんであったが、知らんがな狀態(tài)でその場を後にする。
その後に現(xiàn)れた謎の片腕ドラゴン?劉家榮によって薛漢は殺されてしまう。

今度は薛漢殺しの罪も被ってしまうジミーさん。
非常に立場がまずいです。
真の黒幕から送られて來た刺客のラマ僧4人組を倒すも、まずい立場は変わらず。
遂には各流派全員から襲われるジミーさん。
やはりは主役なのでとても強(qiáng)かったのだが敵の內(nèi)には梁家仁(リャン?カーリャン)なんて強(qiáng)敵もいて負(fù)傷!
このままメッタ斬りにされて死ぬよりは!
ということで自害しようとするジミーさん、しかしこれを助けたのは華山派の王冠雄、ジミーがそんなことをするはずはないと思っていたのだった。

一旦は逃げ出して身を隠すジミーさんと王冠雄。
彼らの回りで暗躍していた謎の片腕ドラゴン?劉家榮と合流することで、彼から真の目的を耳にする。
かつて名士の息子であった劉家榮は、梁家仁そして真の黒幕によって家族を皆殺しにされ、幼き弟とは生き別れになっており、彼も真相を探っていたのだった(薛漢は犯人の1人?)。

とは言っても
王羽 「落とし前はつけねばならん」
ってなわけで結(jié)局は各流派の長達(dá)が見守る中で決戦を開始する
ジミーさんvs劉家榮のW片腕ドラゴンバトル!
戦いはジミーさん優(yōu)勢に傾いたが、そこに全ての真相を知る梁家仁の手下を捕まえた王冠雄によって遂に真相が公に。

ジミーさんと劉家榮で梁家仁をぶっ殺せ!???になるのかと思ったが、
あっさりと出てきた劉家榮生き別れの弟?程天賜も関係しちゃって、
王羽 「ほな、後は頼むわ」
って感じでその場を立ち去るジミーさん。
ジミーさんにとっては梁家仁は小物扱いか。

代わって対決 梁家仁vs劉家榮
彼らの初対決はこれなのかな?この後も他作品で何度か対戦しますからね~

一方であっさりと真の黒幕のアジトを突き止めるジミーさん。
黒幕はやっぱというかなんちゅうかほんちゅうか???
やっぱり龍飛(ロン?フェイ)さんなのですが???
君ら何回対戦したら気が済むねん???
わ??!対戦が不利になったら出ましたよ!
ジミーさんのケチクサイ戦闘スタイル?。?/DIV>


終劇




???そういえばこういった映畫に必ず顔を出す羅烈(ロー?リエ)さんが珍しく出ていないな。

江湖の一大騒動を題材にしたストーリーは時に古龍武俠片っぽくもあり、時に張徹(チャン?ツェー)作品っぽくもあってそれほど悪いものではない。
ただ主人公の片腕ドラゴンを二人にしたことによってどちらもあらましの描寫不足、「新座頭市/破れ!唐人剣」での片腕ドラゴンジミーさんと勝新太郎扮する座頭市のようにお互い戦わざるを得なくなった悲しき二人の剣士、ってところまでこちらが感情移入に浸るほどではないのが実に惜しい。逆にそこまで持って行ってりゃ傑作になり得たかもしれない。

というのもことアクション面で腕が一つ減れば當(dāng)然殺陣のバリエーションも限られてくるわけで、その割には武術(shù)指導(dǎo)家として今回の劉家榮はテンポの良い立ち回りを振付けてよく頑張っている。アクション面は良いだけにストーリーが描寫不足なので惜しいなと???まその辺で。

いわゆるジミーさんらしいはっちゃけ度っていうのもやや薄いので、本當(dāng)に全體的にそこそこの作品ですな。

獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠 | kazzpの音楽&映畫
https://ameblo.jp/kazzp0610/entry-10991440777.html

今日は、久々の中華お取り寄せ作品です。あっ、帰らないでくださいね。

このコーナーのDVDの多くは香港から入手しているんだけど、リージョン2で英語字幕が付いたカンフーや武俠ものは、もうほとんど買ってしまったため、あとは英語字幕のないものに手を出すしかなくなってしまった。その第一弾がこれです。

聞いたことのない映畫會社の「経典珍蔵版」なるDVD、「獨臂俠大戰(zhàn)獨臂俠」(1977年)である。原題を見ても、「One Arm Chivalry Fights Against One Arm Chivalry」という英題を見ても、片腕の剣士が2人登場して対決するのかな、ということは想像できる作品である。そこそこ俳優(yōu)陣も豪華なんだけど、蓋を開けてみてびっくり。監(jiān)督の金聖恩(ガム?シンヤン)の演出は、高校生が撮ったビデオ映畫レベルでした。

そう言えば、音楽を擔(dān)當(dāng)したのはジェリー?フィールディングとジェリー?ゴールドスミス。特に、「アウトロー」の劇伴が小刻みに使われる。あと、「猿の惑星」なども使われてます。

いや、それでも王羽(ジミー?ウォング)と劉家榮(ラウ?カーウィン)演じる片腕剣士同士の対決なら見てみたいじゃないですか。

映畫は、周囲に何もない場所に集結(jié)した光華會と呼ばれる江湖の各武術(shù)の流派が集結(jié)したシーンから始まる。それにしても、あまりにも殺伐とした場所でのロケだこと。ほとんどのシーンが人気のない野原や川辺などセットの要らない場所で構(gòu)成され、この映畫の安っぽさに拍車をかけている。

それでも自分が何とかしようと、いつものように頑張るジミーさん。登場したときは両腕があるのだが、敵の毒針にやられて自ら左腕を切るのである。

子供の頃に両親を殺されて弟をさらわれ、自分の腕も切られて復(fù)讐を誓う若者に、おかっぱ頭がちっとも似合わないラウ?カーウィン。武術(shù)指導(dǎo)も擔(dān)當(dāng)しています。

敵?味方いろいろあるが、登場する剣士(拳士)たちの顔ぶれも紹介しておこう。まず、梁家仁(レオン?カーヤン)。

ジミーさんやラウさんを助ける王冠雄。

そのほか薛漢(シュー?ハン)や田民(ティエン?ミン)などなど。

女優(yōu)陣のほうは、易虹が紅一點とは、ちと寂しい限り。

中國語字幕しかないので、細(xì)かいストーリーが全然わからん。しかも、これだけ役者を揃えても演出が稚拙なので、アクションシーンに期待するしかない、という映畫である。ジミーさんが唯一のヒーローとして活躍するという、いつものパターンにしちゃうか、2人の片腕剣士だけに的を絞って物語を進(jìn)めるとかすればよかったのになぁ、と思う。

ま、そうは言いながら、ジミーさんがクライマックスを盛り上げてくれる。「怒れるドラゴン/不死身の四天王」で見たような巖場の石材所のようなロケ地に水車のある小屋があって、そこで龍飛とジミーさんの一騎討ちである。セメント袋みたいなものを投げて顔を真っ白にしながら戦います。ラストでようやく映畫らしくなってきたな。

字幕がなくても、細(xì)かい臺詞が分からなくても、それでも見たい70年代の香港?臺灣映畫。手に汗握らない、脫力するようなひとときにしばし我を忘れて(本當(dāng)か)、「こういうDVDを見るために、また頑張って仕事しよう」と思う私である。けっこう単純でしょ。


(2025年 5月 24日 21時 09分 追加)
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