ふらりと橋の袂から出て冷た若い娘は數(shù)日間の記憶を失っていた。名主の娘、水油問屋の娘、煙草問屋の女房、筆屋の娘と神田界隈で神かくしが続出するが、これは事件か、色戀の平仄あわせか。表題作ほか「梅若塚に雨が降る」「みずすまし」など粒ぞろいの七篇を収録。大川端の御宿『かわせみ』を幕臺(tái)に繰広げられる人情捕物帳。