にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくあんな殘酷な仕打ちが出來たものだ。出入りする機屋の婿養(yǎng)子に望まれて、新右衛(wèi)門は一度は斷ったものの、身籠っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという……。
表題作「時雨みち」をはじめ、「滴る汗」「幼い聲」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文體で綴った時代小説集。

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