







製品: バンダイ HG ククルスドアンの島 シリーズ
サイズ: 1/144スケール
使用頻度:2025.05/11完成
備考:2025.03発売になったプレミアムバンダイ限定キット
劇場映畫「ククルス?ドアンの島」に登場するシャアの06Rです。 原作アニメ準拠の考証においてはシャアは受領できなかったはずの機體、かの公式外伝「ジョニーライデンの帰還」においてもユーマ?ライトニングがシャアを「あんな06Rを受領もできなかったヤツ」と明言しておりますます存在を否定すべきシロモノでございます。 が、描寫の異なるオリジンやそのまたスピンオフな扱いに位置づけられる「ククルス?ドアンの島」の世界線にいたっては一年戦爭といえどももはやパラレルワールド。伏線や説得力などはもうどうでもいいという事でしょう。
そんなことよりこんな機體どこの場面で現(xiàn)れていたのか? という事のほうが視聴者側の疑問になりがち。 眠っているアムロがみた悪夢に登場します。大気圏突入時にアムロのガンダムを翻弄していたらしき活躍、夢の中でアムロがうなされる數(shù)秒のシーンにのみ???って、映畫観た者でも忘れますね。
製品としては映畫のメカニズム面におけるバックボーンとなっているオリジン版の造形。 赤い彗星Ver.を含めオリジン版ザク類が共通裝備としている豊富な銃器類が贅沢にすべて揃っています(映畫で使っていないのに)。
キットとしては合わせ目接著処理の際に色違いの配色を閉じこんでしまう腳部など、塗裝利便性に著しく欠ける箇所を含む難物。 ザク系のお約束工作のほかそういった箇所の対処などを中心におこなった組み方をしています。 そのほかランドセルのフック形狀を金屬パーツ化、銃器類の光學センサー部をすべてクリアーパーツ化するなどのディテール改善をおこなっています。
◇キット構成への工作點
頭部ブレードアンテナを研ぎ出し。 前面と先端を薄く、基部のくびれより下方をスリムにする形狀づけです。
モノアイをHアイズ使用によりクリアーレンズ化。 モノアイレール部に2mm徑でドリル開口して凹部をつくりその穴に1.8mmレンズを取り付けています。 無色クリアーのレンズを蛍光ピンク塗裝仕上げ(裏面シルバー)の発色です。
頭部メットの左右にドリル工作による2連開口モールド追加。 わたしの出品するジオン系MSでお約束になっている造形工作です。このザクの場合ブレードアンテナのついていない量産型ヘッドも付屬しておりどちらの頭部にも同様の工作をしてあります。
前腕部~ヒジ関節(jié) の組み立てを「あとハメ工作」。 前腕部の內部には手首を取り付けるフレームが內蔵され、それがヒジ関節(jié)のフレームでもあるため合わせ目接著処理に難あり。全ての工程を終えてからでも組み立てられるように加工して作りました。 要領としては前腕の內側に內臓されるフレームを中央で切斷。 固定軸のピンを接著面として、合わせ目接著処理&塗裝?スミ入れ諸々を終えてからもともとの位置に接著固定。
左肩のスパイクアーマー~肩ブロック の連結を「あとハメ工作」。完成後スパイクアーマーが可動するよう二重関節(jié)のフレーム(ガンメタ)を閉じこんでしまうので非常に厄介。 ただ、スパイクアーマーに生えている取り付け軸はもともと長くはなく、若干切り詰めて短縮するだけで可動フレームをもぐりこませて穴に通せるようになります。 ただ內側にある肩內部のブロックとフレームの連結については製品仕様のままでひたすらマスキング塗裝による解決方法。
腳部の組み立てのうちスネ側面の動力パイプの取り付けを「あとハメ工作」。 06R型の最大の難所でもある腳部側面合わせ目処理ですがTHE ORIGIN系製品はHGUC1/144と違い動力パイプを後付けできず、閉じこんでしまいます。ただでさえ腳部にはヒザから足首までの関節(jié)フレーム(これも閉じ込み)が入っているのにそれをマスキングしながら側面からパイピングをプラプラさせたままそれを傷つけないよう合わせ目処理のヤスリがけなどやりようがありません。なのでパイプの片側(下)を挿せるよう形狀を加工しています。
ランドセル上部のフック形狀を金屬で再造形。 製品では太さ1mmほどしかないちゃちなフックでモビルスーツが手をかけることもできないような頼りない細さなので、2mmのアルミ線を使って金屬パイプを作り直してあります?;郡摔膝偿去芝銶SGのパイプ造形を接著(ランナーP-112)し、そこからランドセル內部まで2mmドリル穴を貫通させアルミフックを差し込んでいます。 フックの形狀づくりはそれこそラジオペンチで摑んで?折り曲げる ~といったテンプレなしの工作手腕のみで。光り輝く銀色は塗裝なしの素材色です。
ランドセル側面に突き出したシリンダー形狀面にマルイチ造形を追加。 製品仕様では丸く凹んだ箇所ですが周囲に比べて造形的余白に見えるのでパーツを追加しました。コトブキヤの丸モールド(ランナーP-119)から使用。
ザクマシンガンのターゲットレンズ部をHアイズ使用によりクリアーレンズ化。モノアイ同様の蛍光ピンクで発色。サイズは2.0mm。
ザクバズーカ&対艦ライフルの光學センサー部をクリアーレンズ化。30MMのカスタマイズマテリアルのレンズパーツを使用。 バズーカは蛍光ピンク(上塗り塗裝)、対艦ライフルはクリアーグリーンのレンズ色です。 正面から內部を覗くとガンクロス模様がみえる美しいレンズパーツですがザクのモノアイなどに使うには大きすぎるので汎用性はいまいち。このザクの武裝にはサイズ的に適していたのですが武器側のレンズ部がスコープのシリンダー形狀と一體の凸レンズ造形(曲面)をしているため貼り付けてもグラグラになります。なので平面の皿狀パーツ(コトブキヤのP-106と120)を取り付けて基礎をつくったうえでその內徑に30MMレンズを裝著しています。
ザクバズーカの光學センサー部後面にある空洞を同サイズのパーツで塞いで処理。コトブキヤの丸モールド(P-119)を使用
また、私のこれまでの出品作例にもあるようにメッキビーズ使用による細部ノズル追加工作とステンレス針を打ち込んでのピン打ちリベット追加工作もおこないました(彩り追加の工作)。
全體の基本的な製作は 各部接著を経ての合わせ目処理&パーティングライン処理?サーフェーサー?ガイアカラーによる塗裝(つや消しコート含む)。 ガンプラを完成製作させるスタンダードな工程でおこなっています。 スミ入れはタミヤのエナメル塗料流し込み。色はグレーまたはブラウン系を使用しています。 スミ入れ塗料が定著しにくい形狀の部分などには0.05mmマーカーでのふき取り手法も使用しています。
塗裝パターンは1stアニメにおけるシャアザクの基本配色。サーモンピンク的なシャアザクピンクを主體としています。 THE ORIGIN系の赤い彗星カラーやランナー成形色はかけ離れて暗い色(ほとんどガルマ機の茶色)なのでまったく參考にしていません。
リアルグレード製品のようにパネル割りが精巧な外裝をしているので、シャアザクピンク部は明暗をつけた二色のほかフレーム色のガンメタなどを織り交ぜて配色を複雑にしてあります。
わたしの他の出品作例でもおこなっている、ブラック面を追加するパネル配色は今回は腳部のスネのみ。
バーニア內徑色はボディ外裝のレッド系カラーに埋もれぬようオレンジイエロー。
バズーカや対艦ライフルは機関部?銃身?外裝とで配色細分化。
足裏のツメ造形はスターブライトプラス。
フレームや関節(jié)類の塗裝にはグレーではなく調色したガンメタルを使用。純色グリーンを混ぜて緑がかった発色のガンメタル。ヒジ?ヒザ等のインナーフレーム部にはパールカッパーを組み合わせ。 これらメタル系は外裝部と違いクリアー表現(xiàn)です。
◇以下、カラーガイド(※比率の%は曖昧な感覚的數(shù)値です)
シャアザクサーモンピンク部(明) ホワイト50% ブリリアントピンク40% スカーレット10% シャドー部にはスカーレットでさらに暗くしたものを使用
シャアザクサーモンピンク部(暗) ホワイト40% ブリリアントピンク40% スカーレット15% ミディアムブルー5%
胴體レッド ブライトレッド80% ミディアムブルー20% シャドー部にはブラックで暗くしたものを使用
ノズル內徑イエロー部 オレンジイエロー90% ピュアオレンジ10%
ブラック部 ブラック80% ホワイト20%
ランドセル/ヒートホーク/対艦ライフル の外裝色 HG-02ヘキサバイオレット80% ブラック20%
関節(jié)などのガンメタル部 シルバー60% 純色グリーン20% ブラック20%
ヒジ?ヒザのインナーフレーム パールゴールド100% → パールカッパー100%を上塗り
ゴールド部 スターブライトプラス100%
ヒートホークの灼熱ブレード部 オレンジイエロー70% ピュアオレンジ30%→ 両端をスカーレットで濃いめ のグラデーションパターン
細部に使用した市販品デカールは主にハイキューパーツ製。RBコーションデカールを主體に ほぼ全面的にホワイトの書體を使用。
シールドのナンバリング「01」(ホワイト)はTRデカール。
足首つま先にはハイキューパーツ製のラインデカール(光沢のシルバー)を使用
細部の長方形な細部表記はベルテクスデカール
そのほか一部でクラウドデカールも導入して細部表記に使用してあります。
◇自作品の水転寫デカールも數(shù)種を使用。 クリアデカールにレーザープリンターで印刷したもので水ににじむ心配なく使用できるものです。 定著にはかなり強めな軟化剤(10秒もつけるとデカールが溶解するスーパーハードタイプ)を使用。
1. ジオン公國章(ブラック)。 ジ?オリジン系で多用される「ZEON」表記が大きく追加されたもので公國章もドズル麾下の宇宙攻撃軍で使用される角ばったデザインのもの。 使用箇所は 右肩シールド面/左腳大腿部前面
2.機體形式「MS-06R-1A」(ダークグレー)。 使用箇所は 右肩シールド下端/両足首の外側面
3.ジオニック社エンブレム「ZN ZIONIC」。 ザクやゲルググの開発元のメーカーロゴ。 使用箇所は 右肩シールドの上面
4.関節(jié)可動部警告表記BEWARE?CAUTION、腳のラインデカール調の細部表記(ブラック)、ナックルインパクト など諸々のお約束デザイン(歴代の自作デカールの累計)。 製品版には無いデザインやカラーを使うため、前述したエンブレムのようなシンボル的なものだけでなく関節(jié)まわりの目立たせる警告表記などに多用しています。
機體各所にビーズ工作及びピン打ちによるメタル調細部ディテール工作もしてあります。色はジオン調にゴールドメッキで統(tǒng)一。サイズは1.5mmと2mm。
ピン打ちリベット工作に使用しているのは有頭5號針(針の軸側0.6mm)です。針の太さとドリル開口穴のサイズをあわせ、接著なしにスナップフィットさせて固定しています
◇機體本體以外の付屬品は
ザクマシンガン ターゲットレンズ部とフォアグリップが可動式
ザクバズーカ 1/144規(guī)格のザクバズーカとしては群を抜いて大型。 弾倉がカートリッジ式で交換も可能です
対艦ライフル バズーカ同様、映畫劇中では使用していませんがオリジン系ザク汎用裝備なので付屬しています
ヒートホーク×2 攜行狀態(tài)/抜刀狀態(tài) のふたつが付屬。抜刀版はブレードを灼熱狀態(tài)カラーにグラデ塗裝仕上げです
ザクマシンガンのドラムマガジン×2 マシンガンに裝著するものも含みます。腰サイドアーマー等で裝著攜行も可能
バズーカの弾倉×3 バズーカ本體に裝著するものも含みます。右肩のシールドで裝著攜行可能
バズーカ裝著攜行ジョイント サスマタのように「Y」の字型をしたバズーカの攜行ジョイント。本來オリジン版ザクⅡのノーマルランドセル側面で固定するためのもの。 このR型の高機動ランドセルでは使用不可能ですが、この作例では腰サイドアーマーで固定できるよう転用。長さと取り付け形狀を加工してあります
手首バリエーションは 銃器持ち手(右)/ヒートホーク持ち手兼握り拳(左右)/平手(左) 全合計4個になります
ブレードアンテナのないヘッド部 きちんと完成させてありますので差し替えアタッチメントとして使用可能です
アクションベース固定ジョイント 市販品ベース類への固定についてはオリジン版ザクの製品とまったく同型で股間ブロックに取り付け軸の穴がなく、腰フレームを挾み込んで保持する専用のジョイントを咬ませます。
ランドセル上部の純正フック部 作り直すため取り払った純正フックです(ランドセル外裝と一體のパーツだった)。しょせん破片なんですがまだ捨てずに殘っていましたので新造部との比較にでもご使用ください
水転寫デカール(未使用)
組立説明書
以上です。
かなり爭奪戦の激しかった限定キットでしたが今回はたまたま発注に成功いたしました。三月に発送されたいちばん最初の初版キットです。
設定としては存在を否定されてきたシャア専用06Rゆえに店頭販売に踏み切らなかったようですが、シャア専用機なんてベタなものは玄人でなくともにわかファンでも欲しがるものなのだから、このキットも普通に店頭売りすればいいのに~とつくづく思いますね。 しかし冷靜に組み立ててみて正確に理解しましたが、この製品、THE ORIGIN版の三連星ザク(ガイアorマッシュ機)の成形色違いです。 全塗裝をこなすモデラーにとっては水転寫デカールの有無しか差異はございません。 入手に躍起にならずとも同型キットの全塗裝でいけるザクですし、ランナー成形色もガルマ機みたいに暗いので塗裝スキル皆無のパチ組みビギナーが手に入れてもアニメの見た目に仕上がりゃしませんね。 バンダイに吊り踴らされている感が凄いです。
ストーリー整合性など気にせずとにかくシャア専用ゼロロクアールを手にしたい方々にこそどうぞ。
◇今回のこの作例についてはいつもの他の出品と違いキットのパッケージも送ります。ガンプラのパッケージを梱包できるような市販の箱は大抵80サイズになってしまうので、普段は送料を最低まで抑えるために作例のみを60サイズ箱にまとめるのですが、バンダイがキットを発送するための最小サイズのダンボール箱がたまたま殘ってますのでこれを活用し60サイズのまま製品パッケージごと発送いたします。とはいえプレミアムバンダイ限定キットによくある?yún)g色モノクロの素っ気ないパッケージではありますけどね。