ホリーは母一人子一人で育った。七年前、そんな彼女が母の死とひきかえに手にしたものは、初めて聞く父の名と、その父との新たな生活だった。父親は大富豪だったが、父や義理の姉、その夫と暮らす日々は肩身が狹く、ホリーにとってあまり幸せなものではなかった。やがて父親が亡くなり、遺産相続の爭いに巻き込まれるや、ホリーは母から叩き込まれた教えを思い出した―他人には決して頼るな。彼女は教えに従い、すべてをなげうって異國を放浪。今はパリに身を隠していた。だが、遺産を狙う義兄の魔の手は迫る。とうとう追いつめられたとき、ホリーは、ハンサムな男性ジャックに偶然助け出された。だれにも頼らず生きてきたホリーの心に、何かが起きようとしていた。