大きな自動車事故に遭い、腹に棒が刺さりながらも死の淵から生還した小夜子―戀人を事故で喪い、體には力が入らず、魂も抜けてしまった。私が代わりに死ねたらよかったのに、という生き殘りの重みを抱えながら暮らしている…。慘劇にあっても消えない“命の輝き”と“日常の力”を描き、私たちの不安で苦しい心を靜かに満たす、再生の物語。