毎朝新聞?wù)尾坑浾?、弓成亮太。政治?官僚に食い込む力は天下一品、自他共に認(rèn)める特ダネ記者だ。昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、弓成はある密約が結(jié)ばれようとしていることに気づいた。熾烈のスクープ合戦の中、確証を求める弓成の前に現(xiàn)れた蠱惑的な女性、外務(wù)省事務(wù)官の三木昭子。彼女から入手した情報によりスクープをものにした弓成。しかし、機(jī)密漏洩の罪を問おうとする國は、二人が男女の仲であったことを追求してくる。裁判は「國民の知る権利」と「國家権力」の戦いであったはずが、やがて世間の関心は二人の関係の詮索へと変質(zhì)していく。戦後史を問いつづける著者が、実在の事件の取材から想を得た、渾身の巨篇。