幕末から明治へ、數(shù)奇な運命を辿った直參の剣士の生涯を描きつつ、維新史の斷面を見事に刷る長篇。杉虎之助は微祿ながら旗本の嫡男。生來の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身をはかなんで、十三歳のとき大川に身を投げた。そこで、謎の剣士?池本茂兵衛(wèi)に助けられ、この時が波瀾の人生の幕開けだった──。