義太夫演奏家 竹本 彌乃太夫（たけもと やのだゆう）
京橋在住の竹本彌乃太夫やのだゆうさんは、60年以上にわたって義太夫ぎだゆうの演じ手であり、指導(dǎo)者としても活躍し、昭和61（1986）年に重要無形文化財(cái)（義太夫節(jié)）に認(rèn)定された。今年90歳を迎えるというが、その聲は重く、太い。情感あふれる迫力のある語りを聞けば、物語の世界に引き込まれていく。
義太夫節(jié)は、江戸時(shí)代に大阪で人形浄瑠璃の語りとして成立した三味線音楽である。太棹ふとざおの三味線に合わせて、語り手である太夫が物語の進(jìn)行に加えて、登場(chǎng)人物すべての心理狀態(tài)や感情を一人で語り分ける?，F(xiàn)在も文楽、歌舞伎、日本舞踴に取り入れられ、彌乃太夫さんは日本舞踴の太夫として、國立劇場(chǎng)や歌舞伎座などの舞臺(tái)に上がっている。
彌乃太夫さんは、大正15（1926）年に淺草で生まれた。
「母方のおばあさんが義太夫好きで、いつも鼻歌まじりに語っていました。母や叔父も好きでね、生まれたときから耳にしていましたから、自然と節(jié)を覚えていました」
戦中戦後はあらゆる伝統(tǒng)蕓能が下火になるが、昭和23（1948）年、義太夫協(xié)會(huì)が「義太夫教室」を開校するや、彌乃太夫さんは第一期生として勉強(qiáng)を始めた。25歳で初舞臺(tái)を踏んでからも、三味線の鶴沢三生師、浄瑠璃の豊沢猿蔵師と豊沢松太郎師、音調(diào)理論の野沢吉二郎師、竹本扇太夫師など、多くの師匠に教えを仰いできた。自らも舞臺(tái)に立つ以外にも教室やワークショップで活躍し、後進(jìn)の育成にも力を注ぐ。
義太夫の語りが書かれた原本は、現(xiàn)代人にとっては読みづらい。彌乃太夫さんは、楷書で書き直し、メロディである節(jié)を書き込むなど、手づくりでオリジナルの本を作って自ら勉強(qiáng)するだけでなく、これから勉強(qiáng)を始める人が分かりやすいようにしてきた。また、芥川龍之介の「地獄変」を題材にした新作舞踴のための義太夫の節(jié)づけをはじめ、百曲以上の新作の作曲を手がけている。
「一人の語りで、老若男女さまざまな人を演じ分けられるのが、義太夫の魅力です。昨年、88歳ではじめてリサイタルを開くことができました。今年、來年と、一年でも長くリサイタルを続けられるよう精進(jìn)していきます」
日本の旋律集 ＤＶＤ 竹本彌乃太夫 義太夫曲節(jié)集：
文楽?歌舞伎の音の意味を知る。文楽や歌舞伎、舞踴などの情景描寫に用いられる旋律の數(shù)々。それらを情景ごとに分類し、演目の実例を交えて紹介します。
演奏：竹本彌乃太夫、鶴澤彌栄
豊澤勝二郎、望月太左一郎
◎情景描寫
鐘の音、暗がり、雪、雷鳴、風(fēng)雨、山あいの情景、海辺の情景、
落葉が舞う、斧の音、鼓の歌、蟲の音、蝶が舞う、狐登場(chǎng)、
駆け寄る犬、里の情景、おどけた猿、狐の腹鼓、軍馬の響き、
鼠現(xiàn)る、早春の情景、親子の情
◎人物の動(dòng)作
人物登場(chǎng)、酔人の足取り、雪道を行く、大名行列、遊ぶ子供、
人物の退場(chǎng)、街道を行く、あたりを窺う、賑やかな境內(nèi)、
名殘を惜しむ、足踏み、踴る、木に登る、火の見櫓に登る、
腹を切る、立ち回り、進(jìn)まぬ気持ち、赤子を?qū)嫟?、髪をす?/SPAN>
◎人物の感情
喜び、怒り、哀しみ、勇み立つ心、おかしみ
※竹本彌乃太夫プロフィール
義太夫演奏家、重要無形文化財(cái)総合指定保持者
義太夫協(xié)會(huì)常務(wù)理事
