本書は、典侍という職掌にあり、また寵妾の1人として親しく堀河天皇に仕えた「讃岐典侍、藤原長子」が、重體から危篤、やがて崩御にいたる天皇の苛酷な現(xiàn)実を、悲傷と追慕の情をひたすらにこめて克明に綴った回想記録である。天皇といえども免れえないいたましい「死」をひとりの女の胸に刻み込んで記した點(diǎn)、他に類例を見ない。テーマも筆致もつつましく地味だが、哀痛迫る平安女流日記の1つとして愛読してほしい文學(xué)作品である。

讃岐典侍日記 (講談社學(xué)術(shù)文庫 193)
昭和61年3月25日　第5刷発行　
森本 元子
発行所　株式會社講談社

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