東吾が花世や源太郎を伴って出かけた寶船祭で、村の幼児がさらわれた。時を同じくして、旅篭「かわせみ」に逗留していた名主の嫁が失蹤。二つの事件を結(jié)びつける手がかりは、奇しくも二十年前の同じ寶船祭で起こった子さらいなのか…。表題作ほか、「冬鳥の戀」「神明ノ原の血闘」「大力お石」「大山まいり」など全八篇を収録。